Noism0/Noism1「境界」
同時上演『夏の名残のバラ』*井関佐和子 芸術選奨文部科学大臣賞受賞記念
事業報告
開催日時 | 2022年(令和4年) 1月10日(月・祝) 15:30開場 16:00開演 |
会場 | 高知市文化プラザかるぽーと大ホール |
入場者数 | 473名 |
2021年3月、高知市出身の舞踊家・井関佐和子さんが芸術選奨文部科学大臣賞を受賞したというニュースが駆け巡った。井関さんは、Noism Company Niigata(ノイズム・カンパニー・ニイガタ)(通称:ノイズム)の、創設メンバーで副芸術監督を務めている。
その年の4月、井関さんの高知市長への表敬訪問をきっかけに、過去のノイズム公演で面識のあった高知県立美術館の藤田館長、浜口課長補佐が高知での凱旋公演を企画。お二人の協力のもと、文化庁のアートキャラバン事業での補助金を獲得できた。これを原資に、高知市文化振興事業団の主催事業として、かるぽーと大ホールでの公演が決定した。この補助金獲得がなければ、本事業が開催されることはなかった。
2022年1月10日(月・祝)、かるぽーとで、Noism0 / Noism1 「境界」 同時上演『夏の名残のバラ』井関佐和子 芸術選奨文部科学大臣賞受賞記念と題した舞踊公演を開催した。高知にある多くのバレエ団やダンス教室、地元企業の協力のおかげで、チケットは公演前日に完売した。チケットの販売枚数を客席の半分である500枚に設定していたこともあり、完売後も数件の問い合わせがあった。会場に入れなかった方、申し訳ありませんでした。
ノイズムの舞踊は、いわゆるコンテンポラリーダンスである。表現形態に形式を持たない自由な身体表現で、己の身体一つで観るものを魅了させる。時として、訳が分からない、意味が分からないという見解も珍しくないため、日本において、その活動人口はそう多くはない。また、日頃舞踊に親しみがなければ受け止め方も分からないため、自然と劇場へと向かう足は遠のく。そんな中、今回の公演では、約500名の方々がその身体表現を一目観ようと会場へと足を運んだ。ノイズムへの、強いては井関さんへの期待の表れであったと思う。
今回上演した『夏の名残のバラ』や『Near Far Here』は、共にノイズムの芸術監督である金森穣さんによる演出・振付作品である。両作品とも映像を駆使し、観る者が視覚的に楽しめる工夫がされていた。映像を映すスクリーンが舞台に対して斜めに配置されていたり、今その瞬間の動きを違う角度から撮影したものをスクリーンに映したり、かなり凝った演出をされていた。日本を代表するコンテンポラリーダンサーとしての妙をいかんなく発揮されていたように思う。そして、それらに応えようと毎日22時まで必死に汗をかいていた技術スタッフが多くいたことも書き添えておきたい。舞台に立った者だけではなく、舞台を支えた多くの人が関わり、盛大に幕を閉じた本公演、ここに“境界”はないと信じている。
アンケートより
・井関さんの舞と金森さんの演出振り付け、ダンサーさん達の素晴らしさに、心の底から感動し、涙が出ます。コロナを忘れるほどエネルギー生きる力を頂きました。ありがとうございました。
・すばらしい舞台をありがとうございました。美しい舞台を目にして、感動と感謝を。心よりの拍手を。ふるえが止まりません。
・身体の動きで人を感動させることができるのはすごい!!
輪郭を与えること。分け隔てること。そしてその境界線を横断していくこと。金森穣と山田うん。二人の振付家による、二つの作品。その境界をめぐる新作ダブルビル公演。
日本を代表するコンテンポラリー・ダンスカンパニーのひとつ「Co.山田うん」を率いる山田うんをゲスト振付家に迎えて創作したNoism1の新作『Endless Opening』。Noismの芸術監督、金森穣の演出・振付による新作をNoism0が舞う『Near Far Here』。2人の演出振付家が偶然にも時を同じく掲げたテーマが【境界】。世界各地からオーディションで選ばれた舞踊家集団Noismによる新作ダブルビル公演。
Special one Noismの副芸術監督で高知市出身の井関佐和子が、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した記念として、本人の代表作『夏の名残のバラ』を同時上演。
出演(CAST)
Noism Company Niigata / ノイズム・カンパニー・ニイガタ
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館を拠点に活動する、日本初の公共劇場専属舞踊団。芸術監督は、りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督でもある金森穣。プロフェッショナル選抜メンバーによるNoism0(ノイズムゼロ)、プロフェッショナルカンパニーNoism1(ノイズムワン)、研修生カンパニーNoism2(ノイズムツー)の3つの集団があり、2004年の設立以来、国内・世界各地からオーディションで選ばれた舞踊家が新潟に移住し、年間を通して活動している。Noism(ノイズム)という名の由来は、「No-ism=無主義」。特定の主義を持たず、歴史上蓄積されてきた様々な身体知を用いて、あらゆるismを再検証することで、今のこの時代に有用な新しい形に置き換え、現代人としての身体表現を後世に伝えていこうとしている。
Noism Company Niigata ホームページ
演出・振付
山田 うん / Un Yamada
ダンサー、振付家。器械体操、舞踊などを学び、1996年から振付家として活動を開始。2000年横浜ダンスコレクション・ソロ×デュオコンペティションにて「若手振付家のための在日フランス大使館賞」を受賞して渡仏。2002年ダンスカンパニー〈Co.山田うん〉を設立し、カンパニーでのクリエイションを主軸に、オペラ、合唱、演劇、新体操、ライブ、コンサート、アニメの振付などを手掛けている。また、世界各国のダンサー・振付家の育成、ソロパフォーマーとしての活動など多岐に渡る活動を展開。老若男女、障害の有無を問わず、宗教、文化、国籍を尊重した誰もが楽しめるダンスワークショップのファシリテーターとして定評があり、国内ではパイオニア的存在でもある。2012年度第8回日本ダンスフォーラム大賞、2014年度第65回芸術選奨文部科学大臣新人賞、2019年第37回江口隆哉賞など多数受賞。
〈Co.山田うん〉ホームページ
© 撮影:HAL KUZUYA
金森 穣 / Jo Kanamori
演出振付家、舞踊家。りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督、Noism Company Niigata芸術監督。17歳で単身渡欧、モーリス・ベジャール等に師事。ルードラ・ベジャール・ローザンヌ在学中から創作を始め、NDT2在籍中に20歳で演出振付家デビュー。10年間欧州の舞踊団で舞踊家、演出振付家として活躍したのち帰国。2003年初のセルフ・プロデュース公演『no・mad・icproject ~ 7 fragments in memory』で朝日舞台芸術賞を受賞し、一躍注目を集める。2004年4月りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督に就任し、日本初となる公共劇場専属舞踊団Noismを立ち上げる。平成19年度芸術選奨文部科学大臣賞、第60回毎日芸術賞、第15回日本ダンスフォーラム賞大賞ほか受賞歴多数。令和3年春、紫綬褒章受章。
金森穣ホームページ
金森穣ツイッター
© 撮影:篠山紀信
Special one
井関 佐和子 / Sawako Iseki
舞踊家。Noism副芸術監督。1978年高知県生まれ。3歳よりクラシックバレエを一の宮咲子に師事。16歳で渡欧。スイス・チューリッヒ国立バレエ学校を経て、ルードラ・ベジャール・ローザンヌにてモーリス・ベジャールらに師事。1998年ネザーランド・ダンス・シアターⅡ(オランダ)に入団、イリ・キリアン、オハッド・ナハリン、ポール・ライトフット等の作品を踊る。2001年クルベルグ・バレエ(スウェーデン)に移籍、マッツ・エック、ヨハン・インガー等の作品を踊る。2004年4月Noism結成メンバーとなり、金森穣作品においては常に主要なパートを務め、現在日本を代表する舞踊家のひとりとして、各方面から高い評価と注目を集めている。2008年よりバレエミストレス、2010年よりNoism副芸術監督も務める。第38回ニムラ舞踊賞、令和2年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
井関佐和子ツイッター
© 撮影:松崎典樹
日時 | 2022年(令和4年) 1月10日(月・祝) 15:30開場 16:00開演 18:00終演予定 |
会場 | 高知市文化プラザかるぽーと大ホール |
入場料 | 全席自由 一 般 前売り3,000円 当日3,500円 高校生以下 前売り1,500円 当日2,000円 ※未就学児の入場はご遠慮ください |
チケット販売所 | ・チケットぴあ(セブン-イレブン/Pコード508-984) ※前売券は完売しましたので、当日券の販売はありません(1月9日現在)。 |
チケット発売日 | 10月30日(土)午前10時から販売開始! |
製作 | りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 |
主催 | 公益財団法人高知市文化振興事業団、高知県立美術館、公益社団法人全国公立文化施設協会、高知新聞社、RKC高知放送 |
お問い合わせ | 公益財団法人高知市文化振興事業団 088-883-5071 |
文化庁 大規模かつ質の高い文化芸術活動を核としたアートキャラバン事業
【来場の皆様へお願い】
新型コロナウイルス感染予防策として、本公演来場時は、マスクの着用、入口での手指の消毒、非接触式体温計による検温、連絡先の提供等にご協力いただきますようお願い申し上げます。その他詳細は、「お客様へご理解とご協力のお願い(12月23日現在)」をご覧ください。